今年はあたたかかったのか、未だ紅葉が見られますね。木枯らしが吹き、いよいよ年の瀬になって参りました。今週は中島です。今年最後の毎日GRAFになります!

12月14日(土) くもりときどき雨

毎日GRAFには毎週火曜日から次週の月曜日まで、という括りが一応あるのですが、そこまで拘りはないようなので土曜日からお届けします。

というのも、メンバーの國領さんが和歌山県和歌山市にある かまどの下の灰までgallery という場所で写真展をやっているので和歌山へ来たという所存です。

今年はKG+に出展させていただいたこともあったり、旅をしに鳥取、高知、大阪も行きましたね。西に来れる機会があることがとっても嬉しいです。

朝7時発の飛行機に乗って関西国際空港まで飛んで、そこから車で和歌山へ。國領さんと紀伊長田駅で待ち合わせ。

私の田舎にも似ている。

紀の川市平野にある cafe iibaにて、グループ展があるという話を國領さんから伺ったので、本山さんと國領さんと3人でお邪魔しました。柿農家をリノベーションされたお店らしく、小綺麗でどこか懐かしく落ち着く空間でした。展示スペースもきちんと造られていて、ここで展示するのはきっと楽しいだろうなと感じました。

たまたまカレー屋さんが出店とのことだったのでいただきました。白いカレーにびっくり!カブが入っていてすごくおいしかったです。

近所の直売所なども見ながら、和歌山市駅の方へ移動。雨でなかなか撮影は厳しいねえと話したり。

和歌山市駅から徒歩3分ほどの場所にある かまどの下の灰までgallery(略してかました!)。國領翔太写真展「群MURA-紀伊半島-」絶賛開催中です!今回に向けて撮り下ろされた作品もあったり、ギャラリーは古民家をリノベーションされた二階建てのギャラリーになっていて、一階は壁床が黒、二階は壁床が白となっていてまた違った感覚で見えてとても面白い。かましたでは、写真以外にも絵画や版画、造形作品なども展示されるようで、お客様の層も幅広く、國領さん側から聞いた展示の感想も楽しかったです。かましたの井上さんともゆっくりお話させていただけて、美味しいコーヒーもいただきながらとてものんびりしてしまいました。いい場所です。

今夜は丁度、普段岡山と直島のほうにいる小林さんも和歌山に来れるとのことで、菊地も来て、5人で集合できました。小林さんと会うのは私は1年ぶりとか…。

かましたの近くにある居酒屋「くろしお」にて、反省会のような、忘年会のような飲み会!近況報告と今後の活動を話し合えてよかった。梅酒を飲んだり、真魚鰹の煮付けを食べたり、年末っぽい!美味しかったし、優しかった!たのしい。

みなさんだいぶ酔っぱらい、カラオケ行くぞ!!!と盛り上がってしまいJR和歌山駅まで。

小林さんの尾崎

解散したのは深夜になってしまったけれど、写真も撮りたいし、と思い宿まで40分ほど歩く。銀杏並木が綺麗だった。

12月15日(日) くもりのち晴れ

二日酔い。。だが、どうしても和歌山の中華そば通称和歌山ラーメンを食べたかった!

私の地元長野県伊那市の、伊那市駅の近くにある、おかもとというコーヒーとサンドイッチのお店があるのだけれど、店主のおかもとさんが和歌山県の出身のため、おすすめをたくさん教えてもらいました。おかもと家のおすすめの丸田屋が割と近くにあったのもあり、今日は丸田屋へ!

食べやすい家系ラーメンみたいなイメージ。卓上にはゆで卵とはや寿司(鯖の押し寿司のようなもの)が常備されていて、お会計の時に幾つ食べたか申告するシステム。もちろんどちらもいただいた。ゆで卵の黄身がオレンジでとても美しかった。最高だ。

お腹もパンパンになり、二日酔いもだいぶおさまったところで、今日は西御坊のほうへ向かう。和歌山市から下道で2時間ほど。

古い街並みで人通りも少ない。広い道の方は若い子が自転車に乗ったりしていたけれど。

この写真の位置情報を見ると、御坊市 薗 と記されていた。確かに運転していると、里、上(かみ)、など一文字の地名をよく見かける。地名ってなかなか読めないものが多いし、気になって調べると歴史が知れたような気がして意外と楽しい。

線路の終わり
川を跨いでいる

今日もお天気は不安定で、すごく晴れていたのに急にさーっと雨が5分ほど降ったり。

帰りは産湯海水浴場のほうへ少し回って帰ってきた。

寝不足もあり疲れたので宿で1時間ほど仮眠。小林さんと菊地は帰宅し始めていたので、在廊終わりの國領さんと、本山さんと3人でかましたの近くのホルモン屋へ。

「肉が食べたかった」とハッピーアイスクリーム

お酒もほどほどに、白米をたくさん食べて解散。

12月16日(月)くもり

國領さんが一旦東京へ戻るとのことで、歩きではちょっと遠い丸三という和歌山ラーメンを出発前にみんなで。

丸三は丸田屋とはまた違くて、ちょっとあっさりめ。これもうんまい。かなり好き。卓上にはお決まりの、はや寿司とゆで卵、そして丸三オリジナルなのか?おいなりさんと巻き寿司が置いてあった。ふたつで助六みたいだ。巻き寿司も最高においしい。好きなやつ!おいなりさんも食べたかったけれど、お腹いっぱいになってしまった。お持ち帰りすればよかったな。

國領さんと駅で別れ、今日は港のほうへ。雑賀崎漁港(写真撮り忘れちゃった)と、加太へ。

私はやっぱり海なし県の育ちなので、海は憧れ。大好き。漁港って格好いい。ただ、活動時間ではないのか、人もほぼ居らず店もやっておらずで、少しだけ散策。加太は少し路地に入ると猫がたくさんいて、最高でした。

HEY(塀) DOG

宿に戻りつつ、古着屋なども見ながらのんびり帰ってきた。狐島という地名を見つける。伊那にも狐島があるのでなんかうれしい。狐島っていろんな場所にあるのね。豪族の監視所があった場所か、八面大王が白狐に化けて逃れてきて打ち取られた場所か、氾濫原が藪に覆われて狐が多かった場所か、3通りの説があるみたい。猫が多かったら猫島とかもあるのかな。兎島とか。それはちょっとかわいいかも。

夜ご飯は和歌山ならではの、、と思いきや。はま寿司。回転寿司チェーン店のなかで、はま寿司が一番好き!明日はどこに行こうかな。

12月17日(火) 晴れのちくもり

和歌山最終日!本日は湯浅町へ。

道の駅で食べた鯖定食。鯖が分厚くでっかーーくて30センチくらいあった気がする。お腹パンパン。みかんの直売もあり、たくさんの農家さんによるみかんの違いを食べ比べして、下津産のゆら早生を買うことにした。小さくてあんまい。うれしいな。

湯浅町を散策。町で伝統を守りつつ、残っている家屋を休憩所にしたり、銭湯を資料館にするなどされていて整っていた。観光もしやすい。

やす〜

和歌山と限らず、道端にあるめだか鉢などの、水面があったら花を浮かべよ、という誰が始めたのかわからない文化が好き。

湯浅町を練り歩いていると、熊野古道の文字が。熊野古道はもっと南だが…これはなんなんだろう。。でもたしかに熊野古道だった。これで熊野古道を歩いたと言ってもいいだろう。

L’Arc〜en〜Ciel!

帰りは関空から飛行機で帰るため、大阪を目指す。これは行きしなに下津港の文字が見えたので少し立ち寄る。今回、漁港をいくつか回ったのだけれど駐車場がないところが多いのが大変だったかな。。

帰る前にもう一度、和歌山ラーメンを食べたくて、國領さんに教えてもらった井出商店へ。赤いカウンターうれしいな。巻き寿司は売り切れだったので、煮卵だけ追加。三軒食べられたけれど、甲乙つけ難い。でも、強いて言うなら丸三が好きかも。

岬の道の駅へ寄って、関空へ向かう。

和歌山たのしかったなあ〜。また来たいです。今年は京都大阪も行ったけれど、どこも関西弁の感じがすこし違うんだなと改めて実感。和歌山の関西弁はやわらかくて、かわいい。レジの店員さんが「ありがとうございました〜ありがとう〜」とありがとうを2回言ってくれたり(その店員さんの癖なのかもしれないけれど笑)、、お刺身につける醤油が甘かったり、みかんは勿論あんまいし、非常にたのしかったです。古い家屋をリノベーションして新しいけどいいところは残す、繋げる、というような文化にも触れられました。國領さんの展示を見た時にいらしたお客様にも絵描きの方がいたりと、芸術にも興味がある方も多いみたいで、そういったシーンを面白がる方も多いのでしょうね。素敵だなと思いました。

関空から羽田まで1時間のフライト。あっという間。帰りは中野までバス、楽ちん。楽しい旅でした。写真も撮れたし。

12月18日(水) 晴れ

急遽伊那に帰ることになった。母方の祖母の具合が悪いと連絡を受け、バスに乗って伊那へ向かう。祖母は最近長く住んだ新潟を離れ、今は伊那の病院に入院している。ここ数日ですごい移動距離だなと思うとともに、身体は疲れて眠たいんだけどなんだか気分的に地味に眠れない。今日はスカッと晴れていい天気だね。

お昼に伊那に着いて母と一緒に市役所へ行ったあと、祖母のお見舞いをしに病院へ行った。

無事に会いに来られてほんとによかった。浮腫んでいて手がぷくぷく。小さくて細い手だなあ。人工呼吸器を付けて眠っていたけれど、たぶん耳は聞こえるのでちょっとだけ話しかけたり。

夜ご飯はこたつで鍋を食べて、和歌山のみかんを食べたりして。パリの話や和歌山の話を聞いてもらった。

12月19日(木) 晴れ

深夜までこたつでぐずぐず。眠いんだけど、なんとなく寝たくなくて夜更かししていたら先に寝ていた母親が起きてきた。「病院から電話が来て、今から来てくださいって。」慌てて家を出る。外には雪が舞っていた。ハンドルがひんやり冷たくて、焦燥感が走る。

病室に着くともう心拍数が0になっていて、お昼に見た浮腫んだぷくぷくの手のままだった。私はモニターに映る心電図が揺れるのを見ているようでなにも見えてなかった。アラーム音が煩い。兄も来てくれた。お医者さんが死亡確認をして、01:55。なんだか未だ現実味がなくて、泣くことも出来ず、写真家ならこの状況も写真撮るべきなのかなとか頭に浮かぶが、私はいま撮る気になんかならなかった。身支度をしてもらいながら葬儀屋さんを待つ。斎場に運んでもらってお線香を焚く。死亡証明書も婚姻届と同じレイアウトなんだなとか思ってこれからの動きを教えてもらう。もろもろ終わって朝方家に帰ってきた。

市役所やらなんやらに行くために2時間ほど寝て活動。運転しながらぼんやり祖母のことを思い出す。

昨日お見舞いが出来て、最期を看取ることも出来たから、本当によかった。

超田舎でなんにもなくて電波も入らないし、カエルとかヘビとかアブとかめっちゃ入ってくるし、超古い家でなんか怖いし、幼い頃は新潟の家に行くのは気が乗らなかったときもある。ただ、この家に入ってくる大きな光が好きだ。写真学校に通わせてもらえたのも、今もこうして写真を撮っているのは確かに祖母のおかげだった。何をするにも肯定して褒めてくれる祖母が好きだった。

お通夜は明日だが斎場に入れてもらい、安置されて眠っている姿を改めて見せてもらった。ああ、本当に死んじゃったんだなって実感した。

疲れたので少しだけ寝た。みんなのぶんの夜ご飯を作って食べた。わたしたちはこれからも生きていかなくちゃいけないんだから、食べないと。

12月20日(金)

疲れが溜まっていたのか、お昼頃に起床。オムライスを作って母と食べる。今日はお通夜。

去年の夏に撮った写真を飾ってもらった。納棺を終え、明日は火葬。祖母はこれから四十九日の旅に出る。丁寧に、準備を手伝う。向こうで無事に家族と会えますように。

御斎は祖母が好きだったお寿司を食べに回転寿司。母もよく食べていて安心した。

こたつでごろごろ。そばにいてくれてありがとう。

12月21日(土) くもり

今日は火葬。最期のお焼香をして火葬炉に入っていく姿を見ると、もう二度と顔を見ることはできないのかといたたまれなくなり、涙が止まらなくなってしまった。我慢して明るく振る舞っていた母も涙をこぼしていた。火葬が終わるまでの1時間40分、待合室で母が「もう、里菜ちゃんが泣くから〜。。あの時間が一番つらいよね」と言って、また泣いた。

祖母は12月の旅人になってしまった。

骨壷に骨を収めて、家に帰る。花瓶を買いに出かけ、御斎にうなぎのお弁当を頼み、家で食べた。私は祖母が好きだったマッコリを飲んだ。

12月22日(日) 晴れ

ひと段落ということで、気晴らしに伊那の街に出かける。高校時代バイトさせてもらったラーメン屋「原点」に行ったら、おばさんが最後の出勤と知る。何も知らずなんとなく行ったのに、そんな大切な日に行けて本当によかったな。年末年始は手伝いに行きますと伝えた。

太麺がないから細麺で。これはこれで美味い!
味噌が好き。

その後はコーヒーを飲みにおかもとさんへ。和歌山へ行く際にいろいろ教えてもらったので、その話もしつつ。

今年の6月、伊那市駅の近くに出来た「すまいテラスいな」の2階にて、美術大学生の宇田川紗登美さんが写真展をやっていると聞いたので観に行った。

宇田川さんと出会ったのは今年の夏。卒業制作のために伊那の街を練り歩き、主に通町のお店を訪問し働くひとや集まるひとたちを撮りたいといろんなひとから情報を集めていたところだった。そうして集めた情報から自ら赴いて声を掛けて撮り集めた写真群だった。伊那市駅から近い通町にあるこの展示場所とも相まって、宇田川さんのキャラがあってこその写真ばかりで観ていて楽しかったです。これからも続けて欲しいなと思いました。

私も展示したいな

12月23日(月) 晴れ

母に着いて行き、葬儀にあたって色々教えてくださったり助けてくださったりと、お世話になった方にお礼の品を買いに出かける。志とか、御霊前と御仏前の違いとか、のしの種類の違いを勉強する。母は何回も「いつ落ち着くんだろう」と言うけれど、落ち着かなくてもいいんじゃないかなと思う。もちろん残された私たちは生きていかなくてはいけないのだけれど、無理に大丈夫にならなくてもいいんじゃないかな。ずっと心の中にいてもらうことも大切なんじゃないかなとか思う。私は明日からまた仕事があるので東京に戻らなきゃいけないけれど、母がとても寂しそうにするので仕事が終わった次の日には、なるべく早い時間のバスで帰ってこよう。

この1週間で怒涛の動きになってしまいました。暗い話とも捉えられるかと思い、ここに記すか悩みましたが、これも私の人生なのでここに残させてもらいます。

この毎日GRAFで私の回は今年最後です。全部で9回。あっという間でした。今年1月からメンバーとしてGRAF Publishersに参加し、京都大阪、フランスなど、東京以外でも出展させていただけて、1人では行けなかった場所に行くことができました。7月には写真展をしたり、個人としてもとても実りのある1年となりました。そろそろ新作を本にしたいなと思いますが、まだまだ足らないところがあるので日々生き続け、写真を撮り続けていこうと思います。

年明けにはZINE FESTの参加を控えています。またいろんな場所でみなさんに会えることを楽しみにしています!これからもどうぞよろしくお願いいたします。

では、また。